ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

今度の選挙は白票も正確に数えろよ

肉球空手

さ、くだらないことなど考えてないで木曜日のことでも書くぞ。
木曜日…。何があったっけ…。
そうだ、昨日の授業などの蓄積だろうか、相当に疲れていたオイラはなんだか起きても全然疲れが落ちなかったのだ。で、ヨレヨレと1週間くらい着古したスーツのようになり、尾崎豊の歌のように地下鉄の中でもみくちゃにされながら、流されるように大通駅のホームに放り出された。…なかなか荒っぽい通学風景だった。
午前中の授業は、身体介助についての復習。とはいうものの、オイラは一通り前回、前々回で出番は終わってしまったのでのんびりと見ているだけなのだ。ま、よけいに眠くて仕方ないのだけれど。
一通り終わったところで、車いすの以上のふがいなさに危機感を感じた先生は、特別に車いすへの以上の特訓をしてくれる。なーに、自分の足を踏んづけられようが、車いすの金具で自分の膝を強打しようが、利用者が平和に安全に車いすに座ることが出来れば、とりあえずいいのだ。…ま、その後の生活には関わってくるけれどな。2〜3回復習したら思い出した。いざとなったら、スターウォーズ エピソードⅢでの、パルパティーンとメイス・ウィドウとの対決シーンのように
「無限のパワー!」
と叫びながら、顔をしわしわにしてでも力業で持って行くしかねぇな。あまりスマートなやり方じゃないからジェントルマンのぱけちゃんはお気に召さないけれど。
昼飯を食らう。
…何食ったっけ?
それを考えている内に午後の授業がやってきた。もう当然9月も初旬が終わっているので、昼休みにパチスロを打ちに行くような金など無い。宵越しの金を持たないオイラだが、流石に物事には中庸という事があるのだ、と再び言い聞かせた。いい加減359回くらい繰り返せば、来月くらいには直っているかも知れないな。
午後の授業は、食事の介助だ。…う〜ん、これってかなり大変。
みんなが左片麻痺を想定した利用者に、左の口角から固形物や水やトロメリンを差し入れて、嚥下してもらうのだけれど、なかなかに苦労していた。
そんな中ニューヒロインが誕生した。名付けて「トロメリンの魔女」
トロメリンと言うのは、主としてでんぷん質で出来た顆粒なのであるが、サラサラとした水分が反応の鈍くなった咽頭蓋の閉まる前に到達して気管への誤飲を起こしてしまうために、この粉を入れてとろみをつけることで嚥下障害を補助するのだ。ま、基本的に味に影響を及ぼさないのだけれど、でんぷん臭かったり、微妙にオイラは嫌いだったりする。そしてその「トロメリンの魔女」は、なにげに大量のトロメリンを投下して、粘っこい飲み物を給仕していたため、皆往生していた。
…まだオイラより年下でお若いのに。
当然、トロメリンが嫌いなオイラはすべてをブロックして入れない液体を確保した。で、ベッドに側臥位で安楽な姿勢の下、他のクラスの方に介助してもらう。けれども、時間がまいていたのでとにかく大量ででかい固形物をドンドンと口の中に放り込まれた。それはまるでシンクの下に豚さんが待ちかまえているディスポーサーの様であり、およそ介助とはかけ離れた様子だった。
その後、オイラは介助役になった時に利用者役は「トロメリンの魔女」だった。
けれども、他のおばちゃん方に
「なんでそんなにスムーズに食べさせてあげられるの?」
と質問されるほど上手に給仕するオイラ。…ま、自分でもビックらしていたのだけれどな。水差しの扱いも完璧さ。
ところが、最後の最後に「トロメリンの魔女」から
「…水が出てこないよぉ」
と指摘される。…うむ、確かに出が悪いようだ。試しに口を大きく開けてくれた「トロメリンの魔女」へ大きく傾けて水が出ているのを確認する。
「おー、よぅけたくさん出とるわぁ〜」
と、思った瞬間彼女の口の中の水位が高くなってきて、慌てる「トロメリンの魔女」

慌てて水を吐き出す容器を掴もうとしながら、
「ちょいと待っておくれよセニョリータ!」
と言ったが最後、口からお水を吹き出しになられた。うむ、まだ嫁入り前の娘さんにこのようなハズレ役を引かせて費用に申し訳なかったと思う。
後で「トロメリンの魔女」から、
「ぱけさんに、溺死させられそうになった」
と、散々からかわれたオイラであった。
授業が終わり家に帰ると、疲れはドンドンわき出てきて7時くらいには寝てしまった。そのまま5時までほとんど目覚めなかったぞ。


で、起きたら金曜日なのだ。
一応、現場実習前は今日が最後の授業である。…なんだか早いなぁ。
さて、疲れはとれていないながらも元気良さそうに通学するオイラ。当然弁当を作る元気なんて無いぜ。
で、朝の授業。現場実習に向けて最後の説明と質疑応答の時間である。
ま、なるようにしかならないと入学する時から腹をくくっているオイラにはそれほど慌てるようなことはない。真摯に利用者と向き合って、コミュニケーションを取るくらいしか4日間ではやりようがないのである。どーんと行くのだ。
それが終わると、身体介助の総復習である。なんとなく他の人がやっているのを見るとドンドン思い出してくるオイラ。ちょいと苦手な部分だけ練習して、後は他の人のお手伝いをして過ごす。…なんでかこういう役回りになっているんだよなぁ。…あまりオイラの信用しないでくれぃ。
お昼はのんびりと過ごす。ま、弁当も持ってきていないので適当に書類に目を通しながらくつろいでいると、
「あら、お昼御飯食べないの?」
と、いつものおばちゃんが言ってくれるので、今日は昼抜きという事情を伝えると、「若いもんが食べないと駄目でしょ。ほら、わたしおにぎり一つでいいからこれ食べなさい」
と一つくれた。…ま、こういう場面ではお約束だが泣きながら味わって食べた。ありがとう、おばちゃん。…見てないと思うけど。
午後、最後の授業は「ターミナルケア」についてだ。
ターミナルケアというのは、ガンの末期など治癒の可能性がない病気の方々の苦痛などを緩和し、生きると言うことの質を上げるための介護である。…なかなかヘビーなのだ。で、何故こういう分野が介護に入り込んできたかというと、今後終末期に置いては病院のベット数が絶対的に足りないのである。とくに団塊の世代が60歳を超えていく3年後以降からそれは顕著になる。そんでもって、医師会が儲からない末期医療を介護の世界に押しつけたのか、それとも介護の世界が任せてられないので医師会から奪ったのかは知らないが、こうした人達の在宅でのケアが重要視されてくるらしいのだ。で、お勉強な訳。
率直な感想であるが、今のままではヘルパーや介護福祉士で出来る介護では限界があるので十分なケアが出来ない。だから、訪問看護師の絶対数を増やすか、もしくはヘルパーや介護福祉士が扱える医療行為を法改正で増やさなければいけないのである。そうだ、モソモソと郵政民営化の議論などしている暇はないのである。なのに、今の政治家どもは、ブツブツブツ……。
本当は、オイラも色々な資格を取って多様に対応できるようになりたいのだけれど、どう考えても介護職員の給料では資格のための学校にのんびり行く事なんて出来ないし、通信にしても受ける金が足りないぞ。…なんだかなぁ、と悩みに悩むオイラなのである。ま、とりあえずそれが出来るくらい認められるしかねぇだろうな、と珍しく前向きなぱけちゃん。ちっとは人間的に成長したのだろうか?
で、家に帰り、ちょいとの間マッタリした後、ハムスターアレルギーの薬を取りに病院へ行く。正直、自分が風邪をひくと利用者に影響が出るため現地実習は即刻中止だからドキドキするぞ。病気は出来ねぇなぁ。
そういう世界を見ると、前職の
「風邪くらいで休んでるんじゃねぇ」
という風潮は何だったのだろうか、と疑問が湧く。病気で8割の力も出ないのに、無理無理不効率な仕事をして、しかも他の社員に風邪を移して、正常な状態とはいえないよな。少なくとも他人に対する配慮というもののかけらもなかったように思える。
ま、病気はしないのが良いが、なってしまった時はじっくり休んで早く直すのが一番だ。…うむ、社会的な意見を述べるオイラというのは絵にならないなぁ。