ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

理想を叶えると言うことは、それが存在する場所に所属することではな

大量消費社会

火曜日だ。そして実習の2日目である。
昨日は現場の雰囲気になれるため、必要以上の気力と集中力を消費したため、疲れまくった。おまけに疲れたせいでなかなか眠れないというおまけまでお見舞いされた。で、その翌日なのである。
……腰が痛いんですけど。
この痛さって、なかなか来ないくらいの痛さだったな。多分、頭の中が真っ白になってボディメカニクスを活用しなかったツケがやってきたのだろう。と言うことで、今日は基本に忠実に、自分の身体もケアしながら望もうと思った。…少なくとも施設の門をくぐるまでは。
今日は9時までに現場到着なので、昨日より若干早めにでようと思った。しかし困難はいきなりやってくる。
「さて、昼の弁当用に余った冷や御飯を使ってチャーハンでも作ろうか…」
と、脂の引いたフライパンを強く熱してタマゴの準備をする。
うむ、消費期限9月11日。…同時多発テロと同じ日付じゃないか。
しかしオイラは応用力をタップリと効かせて、タマゴ抜きでチャーハンを作った。正直タマゴの分、分量が少ないぞ。
で、モタクサと出発の準備をして妻をサブドライバーとして積み込んだ時点で昨日と同じ出発時間だった。…まぁ、昨日は早く到着しすぎたのだから良しとしよう。
現場到着。眠そうな妻が車を運転して家に帰るのは非常に心許なかったが、オイラには気にしている暇はない。そして昨日の帰りに、先輩のおばちゃんから
「ここはねぇ、いろんな人が出入りするのよ〜。生きている人も死んでいる人も…」
と、普通の人であれば脅しになるコメントを吐いてくれた玄関から入る。ちなみにオイラは霊感なしのオカルトマニアなので、これといって驚くことなどない。
元気に挨拶をかまして、実習開始。さ、大変だぞ。いきなりおむつの交換からだ。けれども今日は入浴日らしいので、交換も適当であった。…オイラが働くようになったらこまめに交換しよう。
そして、シーツを交換しつつベッドメイキングをして回る。利用者はベットに寝ているがそんなことお構いなしに、ガシガシとシーツを交換して回る。その度に利用者は右にゴロゴロ、左にゴロゴロところがされ回る。…正直、かわいそうだと思いました。
その後、布巾を持って棚を拭いたり、手すりを拭いたりする。多分、先輩方は拭き掃除くらいでなんでそんなに時間をかけるのだと思われただろうが、オイラは一人一人にきちんと挨拶をし、
「これから棚とベットを拭かされて頂きますね (^^ 」
と丁寧に回ったためだ。…これくらいコミュニケーションの実施訓練をさせてもらってもいいだろう?
終わった頃に御飯がやってくる。で、指名されて食事の全介助という寝たままの利用者にスプーンで流動食をすくって、食べてもらう行為をする。…これがなぁ、授業で言われていた通り相当に(精神的に)大変であった。
経験不足もあるが表情からは何も読み取れないのだ。だから我慢強くかすかなうなずきや飲み込みの音に耳を澄ませて、次のスプーンを運び、更に同じメニューに偏らないよう、味の濃そうなものを食べてもらった後は水分を取ってもらうなど、授業で習った通りの最大限の気配りをする。口から溢れた食べ物は、その都度ティッシュで拭き取ったし。
…でもそうすると時間が足りないのだ。モタモタしていると満腹中枢が刺激されるので食べられなくなる。なので、先輩の方に協力を請うた。
「はーい、○○さん。もっと食べましょうねぇ〜♪」
と、オイラの5倍くらいの勢いと量を口の中に突っ込む。…うむ、口から溢れてドロドロになっちゃってるじゃないか。しかも水分はとろみをつけたゲル状のお茶を注射器で吸い取って口角から猛烈な勢いで投入ときた。
…理想というのは、なかなか叶いがたいものらしい。
お昼御飯。適当弁当を食っていると、
「そんな量で足りるの?」
と聞かれる。うむ、正確には足りないのだけれど、高脂血しょうがあるオイラは思うがままに食わずに、一応1日の総カロリーを頭に入れている。だいたい晩ご飯で大きくカロリーを取ってしまうので、昼は少なくなってしまうな。そのようにして、74キロから64キロに半年をかけて計画的に減量してきたのだ。まぁ、慣れていると言えば慣れている。ふぅ、ストイックなオレだぜ。とハナがピノキオのように伸びるオイラであった。
昼からは入浴介助と聞いていたので、湯船に入れたり、背中を流したりするのかな? と思っていたら、それは専門の方が来てやっていった。
で、うちらというと、浜ゆでのタコのように次々に上がってくる利用者をストレッチャーからベットに移し、おむつをして、人によっては留置カテーテルの解放をし、病衣を着てもらい、安楽な体勢を作って終わりなのだ。で、その数約60人…。
たまに渋滞していたりする…。
で、ある男性をストレッチャーで送り届けてベッドに移していると、頭にタオルを巻き、裸にバスタオルを掛けられた男性がベッドの上であぐらをかいて、真剣な表情をして中を見ている。
オイラ、これでも「どうされましたか?」と尋ねたかったが、共同作業があるので黙々と作業を学んでリピートしなければいけない。
で、その声は部屋に響いたのだ…

「寒い…」



…どうやら、風呂から上がり服を着せてもらうのを待っていると思っていたその方は、裸にされたままなかなか風呂に連れて行ってもらえなくて、相当に寒かったらしい。しかも、介護職員の方笑ってるんですけど…。なんだか面白い光景ではあるが、オイラには笑うことは出来なかった。
その後もひたすらバタバタする。風呂上がりのストレッチャーで下痢を出してしまう方。ウンコウンコと騒いでいるのが大部分で後から清拭をするなんて事はなかったな…。
野郎のオイラも人手不足なので、有無を言わせず高齢の女性の着替えも手伝う。しかし、中には明らかに恥ずかしいのか隠そうとしていたり、訴えるような表情の方もいたので、そういう時はオイラは一生懸命タオルなどで体を覆おうとしたが、慣れている介護職員の方は遠慮無く、作業がしにくいとばかりにひんむいていた。そうなると、せめておむつが締め終わるまでよそを向いていなければ悪いような気がして、明後日の方向を見ていた。
…怯えたような驚いたような話の出来ないお婆さんの表情。
ちょっとひどいと思いました。
で、結局入浴後の水分補給をお手伝いすることもなく時間切れになってレポートを書いて帰ってきたのでした。…レポートを書く暇があるなら水分補給のお手伝いをしたかったのが本音だ。
…てか、オイラってこんなにサービス精神旺盛だったっけな?
変な話だ。回りがきちんとしてないとあまのじゃくなぱけちゃんはきちんと遂行したくなるのだ。
ま、書き続ければ「白い巨塔」の原作くらいの長さになるのでこれくらいでやめておこう。とりあえず「不良品返品」のラベルと共に送り返されることもなく、オイラともう一人の方で、そこそこ評判良く勤め上げたのであった。
例え認知症が入っている方で、つじつまの合わないことを言われていた方でも、話が出来なくて目とうなずきくらいでしか反応をうかがい知ることが出来ない方でも、感謝の気持ちを表してくれるのを感じ取ると嬉しいものだ。ちょっとヤクザなオイラでも役に立っている感じがして生きていく希望も湧いてくると言うものだ。
さ、明日は訪問介護の同行訪問だ。全く系統が違うがやるぞ。
で、施設を出て二人でトボトボタバコを吸いながら、あんな事やこんな事を
「授業で習ったのと全然違うんですけど…」
とカンファレンスしながら帰った。一番身のあるカンファレンスだったような気がする。
地下鉄に乗って家に帰る。
妻、ポチスロで放出中…。
バナナと牛乳を飲んでくたばった。腰が痛いのでインドメタシンを塗りたくって体を休める。
妻帰る。晩ご飯を食い、明日の準備と日記をつける。ちょいとばかり早い時間の日記だけれど、多分急激に眠気が襲ってくるだろうからつけちまいましたとさ。
で、圧勝した自民党は早速消費税アップの話し合いをしているそうだよ。…懲りない連中だな。