ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

生きていくって大変ねと、彼は言う…

ジャグラーガールパソコン

さてさて、続きを書くんだったな。
……。
…どんな話だったっけ?
…。
芸人の「ゆうたろう」が妙にテカテカしたスーツを何処で買っているか? という話だったっけ?
それはオイラも知らない。


で、日付は正午を超えるのだ。
先ほどまで、じっとオイラを睨みながらテーブルの席に着いていたご入居者の方は、ウロウロしたあげく自力で自分の部屋に入り、自分で寝てしまったようだ。恐らくトイレに行った時にどうして良いかわからない様子だったので、
「どうしましたか? お手伝いしましょうか?」
と話しかけると、ダウンタウンの松ちゃんが演じる老人のような表情で、
「……やかましいわぁ!」
とおっしゃった時がピークだったのだろう。アレはいかんわ。マジでびびった。びびったので後日スタッフに報告しまくって微笑ましい笑いと共に記憶の片隅に葬り去った。多分正しい行為だったのだろう。…ホントか?
さて、日付は超えたもののする事は相変わらず多いぞ。定期的に自分で排泄が出来ない方の部屋に行き、寝ぼけているのを良いことにオムツを外して排泄を確認する。当たりがでたら茶色い物体の匂いと共に格闘することになる。まるで正月のおみくじで大凶を引いたような気分だ。ま、昼間の糞忙しい時に糞まみれになるよりは一人静かに仕事が出来るのでいくらかマシではある。
そうして3時になって、となりの晩ご飯ならぬ、となりのおむつ交換をヨネ助のように突撃し終わった後に控えているのは飯の支度だ。恐らく自分の飯が、ウンコ回収の後に作られたものだと知ったら入居者の方はいやがるかも知れないが、グループホームという施設の性格上、そう言う苦情が出たことはない。苦情と言えば、飯を配る順番が自分がどうして最後なのか? とか、自分の飯の量がとなりのジジイより少ないとかそう言う微笑ましいものだけだ。…ある意味、その方が頭に来るんだけどな。
想像される通り、オイラは男であり、この年齢まで自炊など余りしてこなかったため食事作りには苦労する。中には自分が食ったことやみたことがない品目まで作らなければいけない時もある。けれども、献立表に書かれた調味料と食材の分量表をみればなんとなく料理になるところがすごいな。…果たして要求された料理になっているのかは定かじゃないが、苦情も言われないし、そもそも苦情を言える方が少ないので自分的には気にしないことにする。時間をかけて経験を積めばそこそこ作れるようになるだろう。
そうしてモタクサと作っていると3時40分頃、とある入居者の方の部屋からナースコールが響く。
「……また、あのババァ、いや、ご入居者様の部屋か。」
そう思いながら、晴れやかで張り付いたような笑顔で部屋に乱入。
「どうされましたか?」とオイラは問う。
「コーヒー飲みたい」そう、その方はおっしゃる。
一応、スタッフミーティングの結果、あまり物音がしたりすると他の眠られている方の睡眠を妨げたり、そもそもその方自体の睡眠も十分にとれないためという建前のもと、丁重にお断りする。…4時まで待ったくださいね、と。
…大して変わりないよなぁ。
ま、オイラとしても飯を作っている最中で、とてもおかまいしている余裕などないため、どぎつく断る。その迫力に、再び臥床される。
10分後、再びナースコール。
…なんじゃらほい (-_-メ)
「…もう良いでしょ?」
「……駄目。」
退出して再び料理に取り組む。ええぃ、そのまま寝てしまえ、と密かに念ずる。
5分後、さらにナースコール。
なにぃ、まだ4時じゃねぇと言ってるだろうか! と思いつつ訪室する。
「…まだ4時じゃないですよぉ。」
「……ウンチでた。」
「………むぅ。」
すっかり気力の衰えたオイラは、身体的衰えのため自分で拭くことの出来ないその方のお尻を拭き、ホータブルトイレ(旧称:おまる)を清掃する。この時、あまりの臭いに思わず吐き気を催し咳き込む。ただし、介護員の著しい体調の変化はカルテに記載されることはなく、夜の闇と共に葬り去られる。
戻ってきたら4時を少し回っている。勝ち誇ったように、
「もう、コーヒーのみに言って良いでしょ?」
とおっしゃるその方に返す言葉を、オイラは持っていない。
渋々、渋いコーヒーを作り提供する。で、5分ほどして、自力で部屋に戻るその方。……こんな事なら、とっととコーヒーを出して寝てもらった方が朝食作りに専念できたな。しかし、所詮介護員に自分の都合を入居者に押し付けることなど出来ないのであった。因果な商売だな。
飯の支度が調った時には、計画した時間など全く意味をなさないくらいタイムオーバーである。まったく、段取りなど殆ど意味がないよな。
朝は勝手に起きてくる方には、適当に水分(好みの飲み物で有害じゃないもの)をだし、適当に過ごしてもらうが、自力で移動できず、且つ自らの意志を表現できない方を順次起こしていく。要するに、オムツを外して、リハビリパンツなどに交換し着替えてもらうのだ。これが実に時間がかかる。寝る時は割と意識がしっかりされているのでそれほどでもないのだけれど、起きる時はふらついたりされるので数倍労力を消費する。すでに夜が明けてきただけでグロッキーなオイラにはキツイ仕事だ。


で、疲れたので今日はここまで。正直、引きずるような話でもないのだけれどな。