風がふけはオケラが飛んでく。

全くもって酔いつぶれてしまったようだ。目を覚ますとお日様がサンサンと輝いていた。けれども、外はとんでもなく寒かったようで、オイラは布団から出て身を震わせた。ハムスター達は、暖かいマットのようなものを籠に入れているのでそれほどダメージはないようだ。あ、ハムスターはあまりに寒いと冬眠する。しかし、冬眠すると体に負担がかかるらしく、あまり長生きできなくなる。だから、注意深く温度管理をしないといけないのだ。
さて、腹は減っているがなにも食べる気がしない。そりゃそうだ、夜中の3時くらいまで酒を飲んで、6時に帰宅しそのまま寝たんだもん。飲酒運転の検問には引っかからないが、医学的には血中アルコール濃度はまだ高めであると思われる。よし、仕方がない。オイラは腹をくくってのんびりとした。で、アンビリバボーの再放送でも見ながらのんきに日曜日の午後を過ごした。
しかし、この満たされない気持ちはなんだろう…。
とりあえず、ワイパックスを飲んで黙っていた。日曜日の昼間は何処に行っても人だらけでゲンナリするだけだからな。
で、暇をもてあましたのでプレステのスイッチを入れてウイニングイレブン7インターナショナルで遊ぶ。そろそろ、この弱小チームも人見知りをしなくなってきたみたいで、そこそこ連携もうまくいくようになり、得点などもあげられるようになる。ま、継続は力なんだ。力が正義だ！ 正義が力じゃない！ …なんか、ちがうな。
あっという間に夕方だ。オイラは鋭い獣のような目をして、如何に時間を潰そうかと思い外出することにした。ついでにどこかで飯も食べてこよう。
で、外出先に困った時には心のオアシス、ハードオフに行くのである。店内物色。…うむ、買えるものがなにもないじゃないか。まぁ、いいんだ。いつものことだ。オイラは、心のぽっかりと空いた穴を隠しながら店を出た。
移動中、どうも今日は心に穴が空いた感じがして仕方がない。で、ワイパックス増量。よくよく考えると、昨晩大酒を飲んだためパキシルを飲んでいなかったのだな。なんとなく、心が沈みがちで、禁断症状にも似た天国に魂を引っ張られるヒュンヒュンと言う感覚に襲われる。うむ、こんな状態で運転をしていてはいけない。オイラは、通りがかったオートバックスに入店する。
この時期のオートバックスは大変に混雑している。多分、タイヤ交換をしてもらおうと人が集中しているのだろう。まぁ、オイラはここ5年くらい、自分でタイヤ交換をしているのでこの手の混雑に巻き込まれたことはない。ま、たまにはホイールバランスの調整で、車を放り込むのも大事な事なのだけれどさ。一度、業者にやってもらったが、次のシーズンにとんでもないトルクでナットを締め付けやがったみたいで、えらい往生したのだ。それ以来、決してやってもらおうとは思わない。あいつら、自分たちで出来ないように思いっきり締めているんだぜ。今時のナットは、タイヤの回転と逆に締める形になっているので、普通に運転している限り外れる事なんて無いんだ。オイラは、素人にたいする商売姿勢に怒りの炎を燃やした。そして、マネキンでやって来ているお姉ちゃんを見て、心を和ませた。
さ、別に買うものなんて無いのだ。体の状態が落ち着いたところで店を出る。
う、妻とエレガントな友人からメール爆撃されている。
妻の用件は、いつものことだが、エレガントな友人からのメールにはのっぴきならないことが書かれていた。
「昨日電話くれたかい？ 昨晩左のキンタマがつぶれて手術。1週間の入院となった。いやいや、爆笑問題の小さい方みたいで、死ぬかと思った…」
まぁ、なんでもないから冗談を言えるんだよな。深刻だったらこんな不謹慎なことは書けない。そして、オイラはお星様になってしまった、爆笑問題、田中のお星様になった片方のキンタマに思いをはせた。…ソフトボール大か。…でかいな。
結局、外で食事はしないでセブンイレブンにより、ダイエットコーラとアサリのパスタを買って、鉄腕ダッシュを見ながらのんびり夕食にした。ズルズル。
あまり意味のない、ガソリンの無駄遣いだった。
それから、しばしゲームなどをして時間を潰し、何気なく始まった座頭市を見ていた。そういえば、オイラは北野武監督作品を通しで見るのは初めてだな。まぁ、縁がなかったのだ、仕方がない。で、じっくり見る。
うむ、なかなか面白かったぞ。少なくとも、2時間強という時間を割いて、テレビに向かい合う価値はあった。
その後、再びからだがうずいたので外出して、キャッツアイ新札幌店に行き、銃をぶっ放してきた。なかなかスカッとするよ。特に、パソコンに銃弾が当たって砕け散る場面なんて言うのは、積年の恨みが晴らされる気がするね。そして、オイラはパソコン破壊に意識を集中させている間に、テロリストに撃ち殺された。
…うむ、こっちをやっつけないといけないのだったな。
帰りに、かなり遅い晩ご飯を食べようと思い、めしのはんだやに寄る。自分でもさすがに野菜が不足しすぎていると、感覚的に感じ取ったのだろう。肉や揚げ物を抑えて、みそ汁やグリーンアスパラを中心に、ニンジンやタマネギを炒めた、よく解らない炒め物を食った。まぁ、価格が安いので味は期待できるものではないのだけれど、オイラとしては十分だった。
で、この時期のこの時間になると、普段は路上で暮らされている思われている方が、隅っこのテーブルで寝ていたりする。…なんとなく都会の闇の部分を見たような気がした。なんとなく同情も出来るのだけれど、はんだやという店のイメージを一定以上に保つためには断固とした姿勢で対応した方がよいと思うぞ。まぁ、オイラがそのようなえらそうな事を言える立場にないというのは十分わかっている。でも、感じるのだから仕方がない。
家に帰ると、プロレスリングノアの札幌大会の模様が放送されていた。ま、そこそこ面白かったな。少なくとも、ひどい時の新日本の試合よりは面白かったな。けれども段々とプロレスに対する情熱が少なくなっているのも確かだった。
そんな一日だ。どうやら、本当に今日は気の利いたことも浮かばないし、心が闇に覆われているみたいだ。パキシルを飲んでゆっくりしましょう。