入院総括2015

「朝の散歩にてタバコをくゆらす」Canon PowerShot S95 developed by Aperture 3




21日間の入院になるとか、ゆめゆめ思ってもいなかったのだけど、結果として仕事をしている最中からかなりひどい状態だったのが自分では「当たり前のだるさ」と認識したため状況が悪化したことになる。


今だ明文化されたものをみたことは無いが、就業規則上、欠勤が増えて退職することになったのだけど、本人この時まだ働く気あったのでいろいろと面接しながら過ごす。
この時から通常4週1回の通院が、余りに炎症反応が高いので、ペンタサ注腸をやったりしたが回復せず、フロモックスという抗生物質がトリガーとなった。
耐性菌がわんさか繁殖して炎症反応が7を超えたため、無理やり大腸カメラをやったら「アフタ」という口内炎みたいな病変でうめつくされていて、すぐに紹介状書くから入院して、と言われるまま徳州会病院のIBDセンターを紹介され、そのまま入院。


想像通り喫煙ルールについて揉める。
紆余曲折があり、喫煙については医師公認で外出許可が出るので、敷地内では吸ってくれるな、ということになる。
結果、まだまだ喫煙率が10％を切っていない中で、敷地内禁煙の通達を出している厚生労働省の官僚どもはいかに、患者のことを考えていなく、現実を理解しておらず、結果喫煙患者を治りにくい状態に追いやっていることを認識する。


しばし、点滴針で拘束されての安静生活。
基本的には、増殖しまくった耐性菌を最強バンコマイシンと、耐性菌に効果のある抗生剤点滴で炎症反応を抑えていくことにある。
しかし、ここでも問題があり、炎症反応5くらいでもオイラ的に仕事でちょっとしんどいくらいの時と状態が一緒なので、すぐに動き回りたくなる。
ここに、病人無理をすべからず、という格言が重要となる。ツライのってなれちゃうから無理はしないほうが良い。


最終的には、炎症反応は1を切ることもなく、白血球は常に1万オーバー。
検査は胃カメラ実施。胃と十二指腸に病変あり。道理で胃が痛いわけだ。
大腸カメラを実施。本来大腸カメラなんだか、無理をして小腸に押し込んでワイヤーを小腸奥まで遠し、それをガイドロープにしてチューブを送り込み、バリウムで小腸を検査。
映像でも小腸にアフタがあり、バリウムでも病変あり。
ということで、生物検査としてサンプルを食いちぎられて持っていかれる。


食事はIBD（Inflammatory Bowel Disease）食となるのだが、なぜか自然と和食になってしまう。
基本獣肉はない。
硬い野菜もない。
コメで一日分のエネルギーをとれ、という考え方らしい。
おかげで、食が細くなった。
最初のうちの全粥でダメージが大きかった。コメの臭いでノックアウトされていた。


入院も半分を過ぎると、心が穏やかになる。
体臭、口臭がなくなり、便もすっかりおかゆの臭がする。
今までなんて汚れちまっていたんだ、オイラって。
そう、鏡につぶやいても返事をしてくれる人はだれもいなかった。


病室は4人部屋だが、現代は完全にカーテンで区切っており、挨拶などもすれ違う時しかしない時代のようだ。
人の入れ替わりは激しかった。
オイラなど21日間だが、長い方のようだった。
何気に、仕事していた時と変わらん体調なのに実は入院クラスだったというびっくりさ。


後期、抗生剤も停止。炎症反応が下がらず、レミケードという薬剤を使うこととなる。
一つは通常だが心電図モニタをつけながらの3時間たっぷりかかる点滴。
もう一つは自分で皮下注射するタイプ。
「え、自分で注射ですか？」
と尋ねると医師はニヒルにかみ殺した笑みを浮かべた。
サバイバル体験としては、自分で注射するスキルはぜひとも身に着けたいところだが、若干皮下注射の方が効果が弱いので大人しく点滴にする。
今後はコレを最初2週に一回、その後4週に一回、そして状態が改善していけば8週に一回と投薬期間を伸ばしていく。
で、点滴やっちゃったのですること無いんだけど、炎症反応も下がらないので入院にしているけど、どうする？
と聞かれたので、もちろん退院することにした。


テレビを一切見なかったり、Wi-Fiを探すのに苦労したり、チュッパチャップスとニコチンパッチと友達になり
病院は習慣的に行っているので看護師さんをからかって遊びながらも、いい患者でいる秘訣で21日間を過ごした。


そのため、今まで潰瘍性大腸炎であった病気も、クローン病になり、更に人数が少ない難病となっていった。
帰宅してからは、食べ物の味が濃く、量も入らないので若干便秘になっているのがまずいところだが、
生活費などもまずいが、入院費自体は医療部分が一ヶ月5000円が上限になっているので、お会計は13100円だった。


皆様の血税を消費してすみませんでした。