ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

ぱけちゃんとおしゃまな探検隊 part1

夜の街にガォー!

日記の更新も停滞しているので、無作為に書き心をくすぐるようなネタを取り上げて書くことにする。


時は、札幌市内に雪虫が大発生してちょっとした騒ぎになった日だ。我らバカ夫婦は妻の提案により、札幌市内のかなーり田舎めいた場所にあるノースサファリパークという場所にいくことになった。
これからの物語は、その珍道中である…。


隊員(妻)「隊長〜(バカ夫)、まだつかないんですかぁ〜?」
隊長(オイラ)「……。」
普段、仏のぱけちゃんとして有名なオイラも助手席で鼻くそをほじりながらあくびをされると流石にむかついてくる。せいぜい黙っているのが限界だ。
そうしていると、国道230号線にある道路資料館にほど近い場所に看板があり、左折を促している。オイラは、面倒な仕草ながらもミカ・ハッキネンのように森の隅っこで泣きながらステアリングを大胆に左に切る。程なく道はうねりだし、
「ここは、ラリージャパンの公式コースか?」
と思わせるような忙しいターマックをすり抜け、やがてダートコースになる。一同、このあまりに秘境に押し黙りつつ前進する。
やっと灯りが見えてきて、目的地に到着した。そこで我々は驚くべきものを目にするのであった!!

CM…

(隊員)「…なんだ、あれ!!」
そうだ、そこには巨大な白いライオンが目を光らせてこちらに向かって構えているのである。そう、かつて国道12号線の東橋横に大きなパチンコ屋があった。そこは現在マルハン東苗穂店として営業しているのだけれど、その前には店のシンボルとして巨大なライオン像が目からビームを出してヌラリと輝いていたのだ。いつもそのパチンコ屋を見るたびに、
(隊長)「ねぇ、あのマルハンのでかい看板の裏に今でもライオン像あるのかなぁ?」
(隊員)「さぁねぇ〜」(あくび)
などという会話をしていたものだが、まさかこんな場所に移動していたとは…。
…こんなに遠い場所まで歩いてくるの、大変だったろうね。
オイラは心からその白いライオンに同情した。
駐車場は、そのノースサファリパークの入り口からかなり離れた場所にあり、最後のジャンプスポットを華麗にクリアすると見えてくる。…もうちょっと静かに駐車したいよな。
で、平日だからなのだろう、スキスキスーのガラガラガーな屋外駐車場に適当にマーチをとめて、入り口までトボトボと、夕暮れ家に帰る少年のように石ころを蹴飛ばしながら歩いていった。
入り口だ。入場料を払う。…なんとなく探検の趣旨に反しているような気がするけれどそれは仕方がない。あちらだって商売でやっているのだからな。するとチケット売り捌き所のお姉さんが蛍光灯式のランタンを貸してくれる。
…しばし、この処遇に悩む。ま、どこかで使うこともあるだろう。そんな感じで受け取った。
まず強制的に我々は白い巨大なライオンに食べられなくてはいけない。…どうやら公式コースになっているようだ。どことなく気持ち悪さを感じながらも、ぱくっ!、っと丸飲みされる。するとそこにはあまたの爬虫類が棲息する館だったのである。隊員(妻)は、水曜どうでしょうのジャングル体験でミスター鈴井貴之氏が、
「スネィク…」
と、真顔で引き返してきたときのようなきわどい放送禁止な表情をしながらオイラの様子をうかがった。ま、オイラは爬虫類は全然気持ち悪いと思わないので軽くスルーした。
白いライオンより排便となって脱出する…。
そこには再び案内係のかわいい系お姉さんが待ちかまえていて、ライオン横にある池を案内してくれる。
まず合鴨のカップルである。話を聞くと人をおそれないようで、初めて合鴨をなで回した。ついでにアヒルの声で
アフラック!」
と話しかけてみたが、人間的言語コミュニケーションは通用しないようだ。残念。
ふと横を見ると、ペリカン野郎がのんびりと立ったまま丸まっている。オイラはひどく好奇心をくすぐられたので、寄っていくとお姉さんが
「あ、そのペリカンは…」
と聞こえるが早いか、

「くわっ!!」



っと食われそうな勢いで突っつかれそうになった。…ペリカンを侮る無かれ。あと、注意点はもうちょっと早く言って欲しい…。
我々は池をぐるりを回り、第一の目標であるビーバーを観察しに言った。ビーバー担当はお兄さんだ。木の枝を適当にかぶせただけの洞穴にヤツはいた。そして、一心不乱に木の枝を食っている。まるでトウモロコシを綺麗にかじるように食っている。

ボリボリボリボリ…



…なんだかすげぇ、うまそうなんですけど。
試しにその辺に転がっている木の枝をかじってみたが、虫の味がした。…悪食はするものでないな。で、食って警戒心のかけらもないヤツの背中を撫でてみた。…うむ、今までにない感触だな。これ。しかも骨格がすごくしっかりしている。でも臆病者と聞いていたビーバーの生態を無視するがごとく、ヤツは最後まで枝を食っていた。…グッバイ、腹壊すなよ。
我々は池から離れて、再び歩く。周囲はすっかり暗くなってきて、ランタンが必要な理由がやっとわかってきた。暗くてズッコケるのだよ。用心深く我々は歩く。もちろん糞を踏まないようにと言う理由ではなくて、転ばないようにだ。
さて、原住民…、ではなかった。現地のお姉さんが次に案内してくれたのは、我々の住む北半球には基本的に棲息していない動物たちの住処であった。おそるおそる我々は、カメラさんと照明さんの後に入る…。
…あ、ワラビーだ♪
我々探検隊は一気に盛り上がる。何せどうしようもなくかわいらしいのだ。で、お腹にはドラえもんのように袋があるって言うじゃな〜い? オイラは是非、子供の気持ちになってその袋に入ろうとじたばたしてみたが、思い返せばワラビーといえどもカンガルーの小さい版みたいなものだ。怒りをかったオイラは、ワラビーの繰り出す殺人パンチによってボッコボコにされたぜ…。隊員(妻)を見ると、ワラビーと戯れていやがる。オイラは痛みを抱えつつその場に倒れながらヤツと見つめ合った。闘ったもの同士にしかわからない友情…。そして、オイラ達は固く握手をしてその場を離れた。…真っ白に燃え尽きだぜ。
ふと、振り返るとでかいヤツがいる。どうやらマーラーと言うらしい。アルゼンチンに住む大型の齧歯類であり、カピパラより多少小さい感じである。…む、こいつらが先ほど見たビーバーや、我が家に棲息しているハムスターなどの仲間とは思えないな。で、かわいがろうとしたが、いやがられて逃げていった。…うむ、どうやらオイラ、南半球の動物たちには不評らしい。がっくりと関根勤のようになで肩に肩を落としながらその場所を立ち去った。

めぇ〜〜〜〜っ



………。
こんな場所からでも聞こえるその鳴き声は、どう考えても羊かヤギ以外にあり得ない。なんというか、最初から勝負の決まっている日本シリーズを見せられているような複雑な気分になりつつ、別の原住民…、ではなくお姉さんに案内してもらった。…夜風が身にしみるぜ。夜風と一緒にヤギ臭いし、すでに鳴き声も聞こえているしな。
さて、現場に到着すると、岩の隙間からすでに愛嬌タップリで顔を出している。
…何というか、人をおそれない陽気なヤツだ。
我々は意外なほどでかい奴らの様子をうかがいながら遠巻きに見ている。…どうやら茶色のボスと黒い子分の2匹が棲息しているらしいな。で、ボスがすでにお姉さんの手からキャベツをむしり取って食っている。…いつも動物たちを見ると思うのだが、この世界は花より団子だ。その後ろで子分の黒ヤギは、まだ許可が出ていないのだろう。恨めしそうに食っている姿を眺めている。その刹那、なんとなく下克上の嵐が吹き荒れたような気がしたが、そう簡単に地位というのは逆転しないものだ。敗れ去った黒ヤギは再びおとなしく引き下がった。
「では、中に入ってみませんか?」
そういうお姉さんの提案に乗って、果敢にも我々はどう猛な奴らの棲息する空間へと足を踏み入れたのだった…。


つづく…