ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

ぱけちゃんとおしゃまな探検隊 part2

手乗りフクロウ

不気味にくらい岩場の影を蛍光灯ランタンで照らすと奴らはいた。
隊員(妻)「…15年ぶりだな。」
隊長(バカ夫)「…あぁ、間違いない。使徒だ。」
そんなやり取りをしながら踏み込んでいったが、当然案内役のお姉さんは、狐に摘まれたような顔をしていた。…ま、ここはヤギのいる場所なんだけどな。
とりあえずいきなりボスの茶色いヤギと目があった。…うむ、お茶目なんだか強欲なんだか。ヤツはすでに餌の気配しか探っていないような気がした。けれどもそこを強引に分け入って頭を撫でてみる。…剛毛だな。しかも角は固いな。そうしていると案内役のお姉さんがキャベツを持ってきたので、客であるはずの我々を無視してそちらの方へ言ってしまった。まぁ、ジャングルの掟はいつも厳しい。ふと横を見ると、ボスの許可がない限り餌をもらうことの出来ない黒ヤギさんがおとなしく鎮座している。で、お姉さんが脇からこっそりとキャベツの葉を渡してくれ、
「ボスがいると食べられないから、こっそりとあげてください」
とのこと。…なんだかヤギの世界も厳しいな。オイラ思わず涙がちょちょ切れそうになっちゃったよ。
うまそうにキャベツの葉をはむ黒ヤギ。なんだか愛おしくなって、角を掴んでブルドッキング・ヘッドロックをかけようとしたら軽く投げ飛ばされた。…うむ、足摺岬からの帰り道は辛かったよ。
そろそろヤギが飽きてきたので、オイラ達はお姉さんに促されて移動する。郷に入っては郷に従え。ヤギの世界ではヤギに従えと言うことだろう。
隣にロバより小さなポニーの親子がいる。…なんだかセントバーナードの方がでかいような気がするな。それくらい小さい馬だ。当然馬なので馬面だ。ご察しの通り鼻筋が通っている。首も長いが、頸椎の数は7個だぞ。
おとなしく鼻と目の間を撫でられるがままの親子。
隊長「…かわいいなぁ。」
隊員「連れて帰りたい!」
もちろん連れて帰ったりすれば窃盗罪で逮捕されるので、首根っこを掴んでやめさせた。そのままかわいがっていたのだけれど、餌が職員によってきょうきゅうされると彼らはそちらの方へ行って、むしゃむしゃと食っていた。当然我々のことなど見向きもしなくなった。…所詮動物の世界も、富と権力か ヽ (´ー`)┌フッ
なんだか資本主義に破れた敗北者のようにトボトボと隣に歩いていくと、繋がれたロバがぼんやりと立っていた。…なんだか哀愁漂うな。
案内のお姉さんの話によると、彼はよく噛みつくらしいので、近寄れないようにしているらしい。ある意味10代のつっぱったナイフのような少年に思えた。
…はい上がれ。そこから希望を掴むんだ。
そう心で思ったオイラは、軽くヤツに鼻で笑われたことだろう。…いいんだ、君が大人になった時に思い出せばよい。
我々お馬鹿な探検隊の旅は続く…。
ちょっと歩くと、おなじみの犬がはしゃいでいる。やはりこういう触れられる動物パークの営業部長はいつもミニチュアダックスフントだ。多分、性格がそういう風になっているのだろうな。立ち入る人が来るたびに彼は、寄っていって愛想を振りまいていた。…犬社会も営業しなければいけないようなので大変だな。大型犬はいつもマイペースでのんびりしているけど…。多分、奴らはいつでも力勝負になったら勝てるという自身があるからなんだろうな。そういう強いものに私はなりたい!
この場所は6時半になるとフクロウさん達が現れるらしい。まぁ、人間で言うと日勤と夜勤の交代時間らしい。…フクロウさん達はいつも夜勤らしいな。
そそくさと移動。
水が流れている…。池のようなものがある…。そしてヤツは現れた!!



_(・ω・)_ モキュ?



水の中からしきりにこちらの様子をうかがっている…。用心深い性格なのか?
あ、餌がないとわかったらきびすを返して水の中に戻りやがった。
あー、そうさ。どうせオイラ達探検人は餌など持ってないさ。せいぜい、妙にかわいらしいお姉さん達が揃っているこの施設で魚をもらいながら、のんびり暮らすがいいさ。
……夕方でおなかの空いたオイラはちょっと苛立っていたようだ。
大人げないな、ヽ (´ー`)┌フッ
そんな大人なアザラシの彼を後にして、川の流れに沿って水の音を聞きながらゆっくりと呑気な探検隊ご一行様は慎重に歩を進める。
おぉ、たき火じゃないか!!
10月といえども、すでに下旬であり日が暮れるとすっかり寒くなってしまうこの季節。たき火の存在というのはものすごくありがたい。でも、放火だけは勘弁な(消防庁
しばらくオイラ達は、西部の夜更けに休むカウボーイ達のように、マールボロを取り出してゆっくりとくつろぎながら暖まる。本来なら、ここで熱いコーヒーの一つでも飲みたいところなのだが、寒い時にコーヒーを飲むと利尿作用によって、ところ構わず我が家のハムスターたちのようにおしっこをしたくなるので注意が必要だ。
で、西部とは全くかけ離れた日本の伝統食、ミソおでんを食った。
あぁ、ミソおでん。美味しいよぉ…。それは、夏の海辺では必ずと言ってよいほど見られる食物であり、ところ構わず寒い時には重宝されるスーパーアイテムと言っても過言ではない。
そして我々探検隊は、タマゴの取り合いになりながら修羅場のバトルを繰り広げ、最後にはオイラはたき火に放り込まれ、アナキン・スカイウォーカーダース・ベイダーに変化するかのように、焼けこげになる……、夢を見た。
その横で、隊員(妻)は
「信じていたのにぃ!!」
と、師匠のオビ・ワン・ケノービのごとく、オイラの頭を叩いて
「こんな場所で寝たら、風邪ひくよ」
と、やはりそのままたき火に放り込んでくれた。…パルパティーン皇帝のように復活は無かった。復活の呪文も、スとヌを間違えたくらいで、二度と続きが出来なくなるドラクエのようであった。…意味不明だな。
…つづく。