ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

誰でもすべてを放り出したくなる事があるものさ

この際、朝の事は割愛する事にした。
さて、時は流れて夕方である。気持ちの切り替えは出来たかな?
なんとなく、トイザらスに行きましょうと悪代官と越後屋のようにかみさんと打ち合わせて、「ウソついて、ごめんなさいセール」で宣伝をたくさん出しているカウボーイ厚別店に出発した。外は抜けるように青い空で気温はそれほど高くなかった。多分、ピクニック日和とはこのような日の事を言うのだろう。しかし、今時誰がピクニックに行くんだ? そんなもん、トムとジェリーくらいしか行かねぇじゃん、と内心毒づきながら車を転がした。夕方の運転は西日が強烈で危ない。正面に太陽があるとまぶしくて前を見られないし、背中に太陽があっても信号が識別できない。俺は、「全く、シンボルちゃん、さまさまだぜ!」と、梅宮辰夫のシンボルロックを口ずさんだが、知っている人は少ないだろう。
平日のトイザらスは、休日の絵に描いた餅のようなファミリーというのは少なく、店内にも人がまばらで、いかにもDQNな子供連れ家族と、青春を思い出しに来たのだろうか? 仕事をさぼってます、とあたりを警戒しながら商品を物色するサラリーマンの姿ばかりだ。ある意味日本の縮図がそこにはある。
オイラの目的はこうである。かみさんが散歩につきあえと要求してくる。しかし、元々運動が大嫌いで、そんな時間があるならギターでも練習するぜ、と考える夢見る少女ぱけちゃんは、だったら散歩だとつまらないからインラインスケートでスピード感と技術を上げるというモチベーションが保てるならつきあえるかも知れない、と逆提案する。そんなわけで、インラインスケートを物色しに来たのである。けれども、実際に見てみると明らかに子供サイズのものしかなくて、はけない事が明らかにある。確かに、安い感じなのだけれど。そこで、とりあえずトイザらスでの捜索は断念し、他の物品を物色し始める。おそらく、子供の頃に来たならここから離れないのかも知れないけれど、すっかり大人になったオイラはそんな事はない。横でピーターパンが裏切ったな、と言う顔をしている。
まず、オイラの興味をひいたのはスターウォーズ関連のグッズである。しかし、色々な品揃えであるが、子供用にデフォルメされた品質ではメカフェチのオイラは満足しない。残念だ。次に、ラジコンを物色する。うん、昔に比べると小さくて多彩になっている。少なくともオイラが子供の頃に持っていたラジコンは、JPSのカラーリングが施されたロータスのF1で前進と左にしか曲がる事が出来なかった。しかも、意味無くでっかいし。それに比べると、今なんかはチョロQくらいの大きさでも夢のような競技用みたいな形のプロポがついていて、前進後退、左右はもちろん、ジャンプしたり6分の1の確率でワープまでしちゃうもんな。スゲェよ、子供のおもちゃ。飽きたオイラは、自分にとっての隠れたメインである熊ちゃんのぬいぐるみを物色し始めた。やはり、熊ちゃんも進歩している。海外で作るようになって大きさの割に安くなっているのはもちろんのこと、頭を撫でたらしゃべったり、腹を殴ったら痛てぇ、と文句を言ったり、おやつを取り上げたら本気で追いかけてくるもんな。こんなおもちゃが出てくるんだもん、登別の熊牧場も経営が大変なわけだ。
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命からがら逃げたオイラ達は、インラインスケート捜索の旅として向かいにあるアルペンスポーツに飛び込んだ。普段、オイラには縁がないスポーツギアがたくさんあるぞ。途中の金属バットとか、ボールとか、卓球のラケットなどでかみさんと命がけの喧嘩をしながら何とかインラインスケートの売り場に着いたのだけれど、ハッキリ言って高いぞ〜。続くかどうかも解らないグッズに1万5千円とか2万円も出す気にならないもんなぁ。で、おとなしくあきらめた。出口で、このところずっと痺れている肘を保護するため肘サポーターというものに興味が行った。もうね、肘サポーター見たとたんにスタン・ハンセンがサポーターをなおしたあとに食らわすウェスタン・ラリアットや、三沢のエルボーを思い出してときめいたよ。オイラは、トランペットをうらやましそうに見つめ、ガラスに張り付く黒人少年のようにその場でよだれを流していた。そうしたら、
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   | ノ      ヽ
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 |    | お い ら の  │
 |  / |  お や つ   |
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う〜ん、なんてしつこい。俺たちはまたもやスタコラサッサと逃げ出した。
で、外へ出て車で脱出した。ちゃんとコロちゃんコロッケを買う事は忘れなかったぜ。
家に帰り、飯を食い、やおら思い起こしてベースギターの手入れを始める。
う〜む、アンプから音が出ない。何故だ!
俺は心の中で「坊やだからさ…」とすでに呟いていたが、それだと問題が解決しないのでベースを分解し始める。電気回路にはテンで弱い。果たして何かが変わるのだろうか? と、訝しげにねじをはずして蓋を開けたら、小人の番人が、
「ひどいなぁ、あける時はノックしてくださいって言ったじゃないか」
と、不満を言った。オイラは、そうだそうだ、さっき痛み止めを飲んだから幻覚を見ているんだな、と思うようにして、小人をつまみ出し右足で華麗に踏んづけてその存在を黙殺した。中の部品に損傷は感じられなく、リード線の断線やハンダ付けがとれているという事はない。どうも、ボリュームつまみの内部で接点不良がある様子。しかし、スパナ関係を持っていなかったのでそれ以上分解する事は出来ず、修復はまたの機会にする事にした。で、仕方なくエレキギターを繋いで、毎度の事だが泣きのメロディーを泣きながら奏でた。
ちょっと前に、飲んでいたマイスリーが効いたのだろう。オイラは静かに眠りについた。忍び寄る気配に気づく事もなく…
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   /  ●   ● | ハッスル!ハッスル!
   |    ( _●_)  ミ
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