ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

人を愛して、人は股を開き(by すきま風)

二十軒道路2

はい、ほとんど寝ていました。それも、かなり早い時間帯からコタツに潜り込んだまま、全然起きられない。そうだ、風邪をひいたらしいのだ。だって、喉が痛いもん。で、元気もなくひたすらコタツで眠り続けるオイラ。…たぶん、3日くらい消費期限の切れた肉なら、変な汁が出て蛆が湧いていただろうな。
結果として、ようやく起きられたのは夜の10時位なのだが、全く食べ物も、水分すらも摂取してなかった。まぁ、人間以外と丈夫にできているんだ、という事を自分の体で体感したわけさ。
ずっと寝ていたので、夜までの出来事はないのだけれど夢を見続けていた。非常にストーリーと趣旨が明確だったので、記述しておく事にする。
オイラはどこかのドイツ語圏のヨーロッパの国にいる。高い山が当たり前のように目前に広がっているような国だ。
オイラは、何かの取材でそこへ行っている。その国では農業技術のイノベーションにより、とんでもない山間でも色とりどりの綺麗な花を咲かせ、それを出荷販売する事により潤っている。それは、実に壮観な眺めであった。
様々な色をした花が山の斜面に沿って花を咲かせ、農婦達がオランダ風な民族衣装を着て、花の世話をしている。何処までも、山の頂上へと向かって広がる花畑。空は実に綺麗な澄んだ青空である。素敵な眺めだ。みた事なんて無い。
ボクはカメラを構えて、その風景を写真に納めようとする。どうやらカメラマンが職業らしい。
しかし、ボクはどうしてもその綺麗な景色をありのままフレームに納める事ができない。何をどうやってもピントを合わせる事ができないし、実際に見えているはずの美しい景色がファインダーを通すと、あり得ないほどゆがんでしまうのだ。
そこでボクは自分の仕事に対して失望する。それは自分自身への落胆でもあり、仕事に対する絶望でもあった。
ボクは、そこから逃げるように離れていく。どれだけ歩いた事だろう。気が付くと、自然に囲まれた大学の構内にボクはいるようだった。しかし、そこはあまりに森と調和していたので、しばらく大学とは気が付かなかった位だ。学生達は豊かな自然の中で、思い思いに空き時間を使って楽しんでいるようであった。とても、素敵な広大なキャンパスだった。
失意に暮れたボクは、なんとなく近くの建物に入る。整然とした建物は科学の研究をしている場所らしく、色々な実験室が並び、たくさんの人が作業をしていた。
そんな時、警報と共に有毒物質が流出したという館内アナウンスがあった。白衣を着た教授達が慌てふためいて、外に飛び出してくる。そして、蛍光色のような青色をしたガスが排水溝から漏れ出てくるのが見える。教授達が急いで排水溝の口を封印している。しかし、その数に対して人員はあまりにも少なかった。用意できる対毒性の衣類などが限られているからだ。
ボクは体が自然に動き、その封印作業に参加する。その理由はわからない。単なる正義感だったのかも知れないし、失意によりどうせ死ぬなら役に立った方が良いと思ったのかも知れない。いずれにしても、そうした事を意識しないくらいテキパキと作業を続けていった。ボクの他にももう一人、なんの対毒装備をしていない日本人が作業に加わっていた。
何分か後に、すべての排水溝はとりあえず封印され、これ以上のガスの流出を阻止する事ができた。ある教授はボクともう一人の日本人に大変感謝してくれたようだった。話の流れで、学内にある素敵な眺めの食堂で御飯をごちそうしてくれるらしい。ドイツ語なんて詳しく知らなかったが、それくらいは理解できたようだ。教授は、自慢げにこの大学のすばらしさとこの国のすばらしさについて語りつつ、大学内を案内してくれた。そして、のんびりとした時間の中で、緑と緑が奏でる風の音をBGMにして、おいしい食事をした。そして、教授と握手をして別れる。
さて、ボクはこれからどうして良いかわからなかった。そして、もう一人の日本人と話をし始めた。
彼も、ボクと同じように現状に失望して、同じような気持ちでここにたどり着き、そして同じ感情の元、先ほどの作業に参加していたようだ。そして、彼はこの一連の出来事の中で、何かを掴んだようだった。とても晴れやかな表情をして、
「オレはやってみる」
と、力強く自分の夢を実現するとボクに語った。ボクは、そんな彼をうらやましく見つめていた。やがて彼と別れ、ボクも自分の国へ戻る。とりあえず、カメラマンという仕事は辞めた。もう、自分には無理だった。我慢の限界は超えていたのである。
そんな時、母親と面会する事があり、最初は何でもいいじゃない、という趣旨の事をアドバイスしてくれ、様々な求人の情報をボクのために集めてくれた。そこで、目的も夢も無かったのだが、とりあえずリサイクルショップの店員として勤める事となった。
ボクの最初の仕事は、店長が
「おまえ、音楽とか得意だったよな」
という実に単純明快な理由で、楽器や音響関連、果ては電気製品全般の売り場の整理であった。やって来るお客さんが物色しては、乱雑にしてしまう商品をきちんと値段や状態が見えるように置き直したり、埋もれている商品もなるべく目につくように整理して陳列するのだ。多分誰にだってできる簡単な仕事だったかも知れない。けれども、自分の好きなものを見ている事が意外と楽しく、時間を忘れるくらいに集中して仕事をしていった。
そんな日々が続き、ある時荷物をお客さんの家へ指定した時間に配送する事を命じられる。まぁ、車は運転できるし、荷物だって一人でもてるようなものだ。難しい事なんてなにもないのである。そして、出発の間際、別の売り場の主任から捜し物を手伝って欲しいといわれる。確かに、売り場に並べているものではない商品で、高い場所にしまわれている。そこを歳を取った主任に登らせるのは非常に危なっかしい。そして、ボクはスルスルと階段を上り、はしごを登りドンドン上に上がる。最後に非常に狭い通路を抜けて倉庫にたどり着く。主任が下から指示を出してくれるのだが、どうしても目的のものが見つからない。ボクは、一生懸命一つ一つ内容を確認しながら探し回る。でも、結局見つからない。下におりて主任に伝えると、
「そうか、おかしいなぁ……」
などと呟いている。そうしている内にふと通りがかった先輩が
「あぁ、アレならあそこでみましたよ」
というので、いってみると確かにあった。3人で笑いながらも、まぁよかった、などと談笑をする。
しかし、気が付くと配送の仕事の指定時間が過ぎている。ボクは、慌てて車に乗り込もうと裏口へと走っていく。けれども、なんだか体が重くて思うように動けないような感じがした。やっとの事で、車の場所までたどり着くと先輩の女性が二人、車のところにいる。
「あなた、主任の頼まれごとに一生懸命になっていたでしょ。私たちで手分けして配送しておいたわよ」
「あぁ、大変申し訳ありません。迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい…」
「いいのよ、仲間じゃないの。こういう時は助け合いでしょ。」
と、笑っていった。ボクはその顔をみて言葉を聞いたとたんに、一気に泣き崩れた……。
まるで誰かを亡くしたような泣き方だ。悲しいから泣いているわけでない事をボクは理解していた。女性の先輩が、優しく背中を叩いてくれる。
「いいのよ…。気にしないでね…。」
多分、今までのボクが一度死んだ瞬間だったのかも知れない。何が大切なのかに気が付いたせいなのかも知れない。ボクはこの仕事場で仲間として、受け入れられつつあることを実感したのだ。
その後も、色々なことがあった。アミューズメントスペースを拡張したり、仕事は毎日非常に忙しい。けれども、とりあえず仲間と仕事をしていることが楽しかった。それと同時に、仲間に迷惑をかけたくないし、仲間のために何か役に立ちたいという気持ちが、ボクを仕事に打ち込ませた。
もちろん、いいことばかりじゃない。競争の激しい業界だから、心配事はあるし、ドンドンショップを拡張し続ける店長の姿勢にも心配はあった。
一番悲しかったのは、仲間の一人が経済的な事情で競合する別の店に移ってしまったことだった。もちろん、個人の生活に誰も口を挟むことはできない。最後に責任を取る事なんてできやしないからだ。けれども、仲間を失ったことはとても悲しかった。
彼女にも、移った店で会ったが、とても複雑そうな表情でボクをみていた。彼女からも悲しさが伝わってくるような気がした。
……と、そこで目が覚めた。
う〜む、あまりにもハッキリした夢だったなぁ。画面を見ると鉄腕ダッシュが放送されていた。オイラはそれを見ながら再び眠りに落ちる。で、最後に起きたのが10時くらいだったのである。
「ダメダメじゃ〜ん」
などと思いながら、パソコンでテレビの放送予定を確認して、しばし御飯をどうしようかと考える。困ったことに、本当に食欲が無いみたいだ。何にしようか考えている内にいつの間にか1時間経過していた。あれー。
ようやくオイラはコタツから脱出することができて、近くのコンビニまで買い物に行く。お金を下ろし忘れていたので、非常に心許ない買い物だった。で、ダイエットコーラの代わりに栄養がありそうなリアルゴールドのでっかいヤツを買い、痛い喉と風邪対策のため、ビタミンCがたくさん入っているっぽいのど飴を買う。ついでに明日の朝食用にメロンパン。で、主食を弁当コーナーで探す。
う〜む、オイラ、本当に獣肉を避けまくっているぞ…。どうしたんだー! オイラ、あんなにトンカツ好きだったじゃない…。ショウガ焼きだって好きだったじゃない…。ハンバークだって毎日食べてもいいくらい好きだったじゃない…。今年も海へいくって言ったじゃない、映画も見るって言ったじゃない…。約束したじゃない…。
結局、鳥そぼろ弁当にした。やっぱり鳥だ。そぼろは挽肉だが、わずかしか入っていないので大丈夫だろう。まぁ、ミスター・チキンハートには鶏肉がよく似合うのさ…。
で、飯を食らい、水分を補給し、風邪薬を飲み、ついでにワイパックスも放り込む。で、ノートパソコンを開いていつものチャットの部屋へ、暖簾をくぐるように、毎度っ! っと入る。しかし、頭がぼんやりしていたので全然何を会話しているのか理解できなかった。入力することもなく、騒いでいる様子を眺めていた。まぁ、たまにはそんな過ごし方もいいじゃない。
で、ありがちと言えばありがちなんだけれどトラブルが発生したんだ。詳しいことは書くことはできないけれど、繊細な問題だった。オイラは、そこの部屋が好きでこの1週間とちょっと、お邪魔してすごく癒されてきた。なんとなく、大学時代の部室の中にいるような親密感があった。けれども、それが壊れた。
今後、どのように修復されていくのかわからないけれど、オイラはその事ですごく心を痛めた。ワイパックスも久しぶりのODとなった。大事にしていたおもちゃを壊されたような、そんな気分だった。
オイラは一度その部屋から落ちて、プロレスリング・ノアの特番をぼんやりと眺めながら気持ちを整理する。正直、内容なんて頭に入らなかったけれどな。
テレビが終わって、メインのパソコンに移動して再びそのチャットの部屋へ入室する。
管理者さんに事情を伝え、理解してもらう。自分が感じたことを管理者さんはとても良くわかってくれた。普段は、馬鹿話やエロ話しかしない人だけれど、やっぱりオイラ、人を見る目だけはあるみたい。大きな問題は残ったままだけれど、管理者さんと仲間と一緒になって、居心地の良い部屋を作っていくしかないのだ。
で、その中で仕事についてのビジョンが見えてきたような気がした。どうしたいのかが、やっとわかったような気がする。そうすると、今まで2回、仕事がうまくいかなかった理由が説明できるし、かつて学生時代のアルバイトの一つが何故うまくいったのかが、全部理解できたのだ。
後は、具体的にどういう形にするかを考えて実行するだけだと思う。ま、言葉で言うような簡単な事じゃないのだけれどね。その後、なんとなく気分もそぞろだったので、マーチに乗って凍り付いた街を流した。途中、清田のキャッツアイによってGHOST SQUADスカッドしない展開でゲームに興じる。で、最近なんだか可愛そうなドン・キホーテを横目に見ながら、ぐるっと音楽もかけずに運転し、家へ戻った。薬のせいか、風邪はかなり楽になった。で、日記をつけはじめる、っと。
いやいや、もう6時だ。そりゃそうだ。調子が悪くて丸一日寝ていたんだもんな。