ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

人生の漫才師…、いや落語者

麻薬なんだよ

さて、二日分の出来事だ。手早く行くよ。
木曜日。この日はハローワークへ行き、職業訓練中の失業保険給付方法の説明や、恭しくハローワーク所長からの「職業訓練指示書」というのだけど、つまり君は管轄の安定所の決定により訓練してきなさい、という書類だね。これを適当に机の上に並べられたものを回収してくる。
10時半開始にたいして、のんびりと風呂に入ったり、その後からくりサーカスを引っ張り出して余った時間を潰していたんだよね。
……。
おぉ、気が付くと15分前じゃないか。まるで初めて子供が漫画本を与えられた時のようにゴッツイ集中して読みふけってしまった。慌てたオイラは、素早く外出の準備をする。途中、家のあちらこちらの壁や角に体の色々な部分をぶつけたので痣だらけになるかと思った。でも、強化プラスティック製のぱけちゃんの肌はびくともしない。…ま、ちょっと火にあぶると融けるけれどな。直射日光も禁止な。
会場にはジャスト・オン・タイムに到着する。ビジネスの基本は5分くらい前についておくように、というのは今までの常識だったが、最近は時間にうるさく忙しい人も多いので、約束の時間きっちりというのが好ましい、とオイラは経験的に思っている。…大きな間違いかも知れないけれど。
会場に行くまでがまだ涙なしには語れないのだけれど、とりあえず会場へは車で来るな、とちっさくかいてあったので、徒歩で行こうかと思ったが面倒なので妻の自転車を借りて出発した。
……タイヤの空気が全然無いじゃん。
それでもオイラは頑張ってこいだ。途中、モモが肉離れしそうになったけれど何とか先ほど書いた通りについたわけだ。ま、一人汗びっしょりで説明を受ける羽目になったけれどね。
ホワイトボードの前で一時間強、色々と説明してくれた職員は、どこか吉田照美フレーバーで、油断するとここはラクダの檻の中かしら? と思ってしまうのだけれど、心象を悪くしてしまうと元も子もなくなってしまうので黙っていた。黙っていたが後ろの人は何故オイラの肩がそんなに震えるのだろう? と訝しがったに違いない。
帰りは自転車のホイールを守るために、のらずに押しながら徒歩でのんびりと帰る。ちょっと普段行かないような道なんかに入っていって、のんびりと犬があくびしている姿や、綺麗に手入れされた庭の花をみたり、一丁前の文化人気取りで家路をたどる。
家に帰る前に、近くの自転車屋さんで無料で貸し出している空気入れを使って、まともな空気圧に調整する。…うむ、満足がいく空気圧だ。空気入れを元の場所に戻そうとふとみると、
「交通事故遺児のために募金にご協力ください」
という緑色の箱が置いてある。むむ、そうだな。ただで借りるのは申し訳ないし、こういう風に募金という形なら快くお金を出せるものだよな。オイラは財布をひっくり返し、こぼれてきた45円を募金箱に入れた。金額は少ないが、間違いなくその時のオイラの全財産だ。魂のこもった45円である。


泣きながら家に帰る…。


疲れてしまったので、しばし昼寝をする。部屋を通り抜ける風が何とも気持ちよく、疲れを取り去り、心を静め、やがて安らかな眠りへと誘ってくれる。…ぐぅ。
そして妻に起こされる。うむ、5時半に母と面談の約束があった。そして今は…。5時半だ…。とりあえず携帯で
「遅れるヨン。ゴメンヨン」
と詫びを入れて、マッチのマーチとは全く似てもにつかなくなってしまったマーチに乗って出発した。夕暮れの低い場所にある太陽は、確実にオイラの視線に入り込み目を焼いた。これには彼の「天空の城 ラピュタ」のムスカ大佐も心苦しかっただろう。
予定の時間より15分遅れて現場到着。色々頂いて、母を家まで送りオイラも帰る。帰るが万有引力に引き寄せられて、スロット専門店へはまってしまった。アレだな、まるでサルガッソーのようだな。
そして、閉店まで糞粘り下がちょい負けで終了。ま、ボーナスシーズンだし、給料日後だし、スロットを初めて初めてこのシーズンを迎えるオイラは、この底意地の悪さを十分に理解した。…こういう時期は行くべきではない!
家に帰り、記憶がなくなるほど議論をして寝る。
…が、妻の腰痛が悪化。車の乗せて当番病院ではない24時間対応をしてくれる某徳田虎雄で有名な系列の病院へ連れて行く。
点滴約1時間。気休めくらいにしか痛みが治まらなかったらしいが、妻は動物のお医者さんのチョビもビックリの帰巣本能を発揮して、家に戻ることを主張した。
空はすでに明るくなってきていた。夜空の向こうにはもう明日が待っている。そんな感じである。でもなぁ、歳を取ってからのこの時間帯というのは実に心が締め付けられるな。学生の頃は希望もまだたくさんあったのだけれどな。内心オイラは、昇ってくる太陽をクレー射撃のようにショットガンで撃ち落とそうかと思った。けれども、弾が太陽に到着する前に警察に捕まるだろうし、第一鉛の弾なんて核融合反応を続けている恒星の前では一瞬で蒸発してしまうだろう。…だめじゃん。
そして、コンビニで買った焼きそばを食って眠った。


さて、金曜日は職業訓練の合同入所式というのがある。入所という言葉を聞くと網走監獄での生々しい記憶が蘇ってくるのだけど、オイラは自分の身分を天秤にかけておとなしく我慢した。
とりあえず時間は一時半受付、2時開始ということなのでのんびりと懸賞生活に身をゆだねる。…ま、パチスロが出来ない以上どうしようもないよな。
それまでの時間、適当にからくりサーカスを読みまくる。いつ読んでもドキドキワクワクするぞ、オラ。
一応入所式と言うことなので、正装として「損保ジャパンダ」の着ぐるみを試着してみた。…む、駄目だ。やはりこの着ぐるみは上戸彩しか似合わない。そしてにっこりと微笑む上戸彩の歯茎と中嶋知子の歯茎を交互に想像しながら、オイラはひとしきりトイレでリバースした。うむ、元気な一日だ。
久しぶりに地下鉄に乗る。何故なら妻が車にのっていってしまったからだ。…ま、しょうがねぇ。地下鉄はいつも通りひんやりとして、物憂げで、頭が固そうだった。話しかけても返事もしねぇ…。そうこうしているうちに目的の琴似駅に着く。まったく職業安定所関連はなんでもポリテクセンターで用件を済ませようとする。明らかにハローワーク関連は西区民が優遇されているような疑いの眼を、事務のお姉さんに向けておいた。多分ストーカーか何かと思われただろう。…いいんだ。
合同入所式と言うことで、色々な訓練課程の7月生と呼ばれる人間達がつまっていた。ま、正直みんな面白くなさそうな顔をしていたが、ただで勉強させてもらうんだ。仕方ねぇという感じだろう。もっとも、雇用保険は働いていた時にきちんと搾取されていたけどな。大方、オイラの支払った分など天下り役人の退職金の鼻くそくらいに消えていっただろう。
ひとしきり、適当にプログラムが消化していく。今回は委託の職業訓練なので、民間の委託される学校の関係者が出席している。とはいうものの、学校長とかそんな人が来ているわけでもなく、適当な兄ちゃんや暇そうなおじさんがメインで挨拶をしていった。あ、一人とても綺麗なお姉さんがいたな。アレは、……クジ付きアイスキャンディーの当たりみたいなもんだな。
全部の説明が終わり、昼割りカードが使える期限4時ギリギリに改札口を通過する。それはまるで、テロリストに手榴弾を投げ込まれとっさに脱出レバーを引くダイ・ハード2ブルース・ウィリスのようだった。そういえば、あまりの合成動画っぷりに館内が失笑していたっけ…。
そして黙々と地下鉄に乗せられて家に帰る。
久しぶりに着たスーツは確実にオイラの寿命を縮めていた。ま、みんな適当な格好で着ていたので、オイラ一人馬鹿みたいだったけどな。
しばし、おやすみ…


あー、飯だ。飯の時間だ。腰痛でリタイアしている妻の代わりに米を炊き、適当におかずを作り、それと妻が近所の市場のリニューアルで安売りしていたカレーコロッケやきんぴらゴボウをおかずに、猿のように飯を食らう。
後は、適当に夜を潰して過ごすのだった。学校は月曜日からだしな…