ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

フォースと一緒に、社会的弱者を感じろ

紫陽花 photoed by Ms.M

爽やかな、けれども湿気の含んだ夏のいつもの晴れた月曜の朝だった。
…すべてがそこで間違えていたんだ。そしてオイラはゴミを抱えて家を出るのを忘れた。多分妻に怒られるだろう。
さて、地下鉄に乗りいつもの教室に入る。
あー、今週も始まるんだな…。と、かつて毎日思っていた懐かしい感情が蘇る。けれども今の違うところは、そこから授業が開始になり程なく自分でも驚くほど集中し始めることだ。すべてが面白い、と言うと語弊があるけれど、興味深くて聞いているだけで頭脳にインプットされていくのだ。そのような授業というのは、予備校の英語の時間とか国語の時間、あるいは自動車免許取得の学科の講義以来だな。そんで、あっという間に末梢神経と副交感神経について思いを馳せている間に午前の授業が終わってしまった。…なんだか早いな。
お昼は高校時代からの仲間にランチをごちそうになる。…ランチだぜ。昼飯とか昼ご飯じゃないんだ。lunchでランチだ。オイラはイタリアの風に吹かれたような気分になった。
昼の授業は、社会福祉概論という。社会保険制度の成り立ちを、法令などと絡めて講義してくれるのだ。講師は北星学園大学の教授らしき人が来ている。で、成り立ちや背景そのものは、時代が豊かになるにつれ、あるいは社会が成熟していく程度に応じて発達してきたと言うことがわかる。けれども、専ら皆の関心があるのは、老齢年金がどれくらいもらえるとか、所得税の還付申告とか、自分の収入に深く関わってくる部分に集中する。…なんだか、思いっきりテレビを生で見ているような気分になる。
まぁオイラはコンピュータ会社で基幹システムと呼ばれる、財務、給与、販売購買管理のソフトを扱っていたこともあり、給与と所得税、それに関わる還付については他の多くのクラスメイトに比べて知識が多いようだった。…なんだか行政も市井の人に有利な情報は全く流してくれないようだな。なので自分でせっせとアンテナを張って情報を仕入れなければいけないのだ。利益を得るというのはそういうことだ。ただねぇ、みんなからの質問が明らかに自分の立場でどういうことになるのだろうか? という自己中心的なものに終始するのはなんとなくいらだたしかったな。そんなの、授業が終わってから個別に質問すればよいと思わないか?
で、オイラはどこ吹く風という顔をして、制度全般を頭にたたき込んだ。そうだ、この勉強はあくまでも自分が利益を得るだけのものじゃないんだ。


授業終了。今日は実習が無くて、荷物が非常に身軽だったからススキノ近くの玉光堂楽器センターへ立ち寄った。そして、ひとしきりギターを見る。実は実習では原則として爪を切らなくてはいけないから、ピックでギターを弾かないといけないのだ。けれどもピック弾きは大きな音量が出やすいので、そういうことを考えるとエレキギター、またはサイレントギターと呼ばれるものが必要なのだ。…買えないけど。
意気消沈して、2階のキーボードフロアへ行く。
……。
…絶句したのだ。そこには、数多のシンセサイザーが1980年代のステージセットのように要塞のごとく積み上げられていた。思わず写真に撮っちゃおうかと思ったもん。それくらい、理想的なセッティングであり、オイラはそこに住みたいと思った。しばらく、眺めていると店員のお姉さんが、
「いいカモみっけ!」
と言う感じて近づいてきて、色々話を聞かせてくれた。
…うむ、オイラが今所有しているYAMAHAのB900exと言うシリーズから、ものすごく進化しているのはわかった。コンピュータとの親和性もものすごく強化されていて、USBで簡単に接続できちゃうらしいな。いやいや、ちょっと前なんてセットアップだけで凄く苦労したのに…。
で、デモを聞かせてもらったり、オイラの所有しているB900との比較でわかりやすく説明してくれた。多分お金があれば、すぐにでも購入するくらい、説得力があり、親切な対応であった。けれでも、オイラにはそんなお金も腕もないのだ。
大きなため息をついて、家路へとついた。あ、パンフレットだけもらってきたので家でヨダレを垂らしながら見ることにする。
晩ご飯を食べる。
妻を所用で車で送り届ける。そしてオイラは父宅へいく。このところ家猫のヤム(シャム系雑種 オス 15歳)が体調を崩していたらしいが、部屋の中を歩き回っていたので多少良くなったみたいだ。しかし妹いわく、目があまりよろしくないらしい。…人も動物も高齢になると色々なトラブルを抱えるのだな。
そして家に帰る。
明日は、前日実習だ。着替えのTシャツを持って踏ん張らなければ。そういえば、昼間にタバコ仲間とアイロンプリントを使ったオリジナルTシャツの話をしていたっけ。得意の意味不明な図柄と、場違いな四字熟語のTシャツを作って一人悦に入りたいものだ。