ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

ギャランドゥは、ヘソから陰毛へのシルクロード

paque2005-09-02

最近まだらに日記をつけているオイラです。…まぁ、感の良い方なら気づいていると思われるが忙しいのだ。毎日丁寧にパソコンを起こして日記をつけている場合じゃない時もあるし、疲れて8時くらいに寝ることもある。
……。
…8時だよ全員集合が見られないじゃないか。


さて、週末金曜日である。ま、終末でもいいのだけれどそれだと未来がないみたいなので止めておこう。で、今日の学校は特殊プログラムが組まれている。なんとあり得ない話なのだが食品を扱うのである。さぁ、午前中は食事介助である。コイツがなかなかくせ者で、人によっては排泄介助よりもキツイらしい。ちょっと考えるとわかるのだけれど、自分のペースで食うというのはとても重要なことなのだ。だから介助方法に原理原則など存在して居らず、日本であれば1億2千万の介助方法があり、2億4千万の瞳に見つめられるわけだ。エキゾチックJAPAN万歳状態である。
で、各々持参してきたプリンやらヨーグルトやらをアイマスクをした状態で食う。それに対してどんなメニューが盆のどの場所にあるのかをクロックポジションで教えるわけさ。クロックポジションとは、
「11時の方向に敵影あり!!」
とか、宇宙戦艦ヤマトでしゃべっていたアレな。だから指示もとても緊迫するのだ。1時の方向にヨーグルトあり!!(ザボーン!! → 目が見えないのでヨーグルトに指を突っ込む音)
指示もあまりにしつこく古舘伊知郎風に実況すると、なんだか落ち着かなくて食えなかったりする。
「さぁ、12時の方向にあるガラスのコップに入った麦茶をやおら掴んだぞ。おぉ〜っと、大変なことになった。すでに傾けたコップからお茶がこぼれたぞ。それを私は利用者に悟られないように静かに拭き取るのだ。さぁ、そうこうしている間に山田さんは、ガラスのコップの麦茶を口の中に注ぎ、口腔無いに充満したお茶は不随意反応によって嚥下され、今まさにぱたぱたと締められる口頭蓋、咽頭蓋をクリアして、音速の貴公子のごとく食堂を流れ落ち、おぉー!! とうとうその漆黒の闇につつまれた胃の中にこぼれ落ちてゆくのだぁ!!」
などというと、食えなくなっちまう。…物事には中庸が大事だ。
昼ちょっと前からの4時間は、最後の家政学である。
班毎に筑前煮(うま煮とか、ガメ煮と言われているもの)を持参して、摂食障害のある方のメニューとして存在している刻み食とか、ミキサー食を作って、実際に見て、食って、感想を述べ合うというものだ。
まず持ってきた筑前煮を3等分する。一つは、ゴロゴロしている野菜が多いので、かみ砕くのに苦労しないようひたすら小さめに刻んでいく。…なんだかままごと用の御飯みたいだ。
次は食品毎にすり鉢でドロドロにすりつぶしていく。原形は失われるが、ニンジンはニンジン色。ゴボウはゴボウ色と元の食材さえ知っていれば、なんとなくイメージできるのだ。
…ゴボウをすりつぶすのは大変苦労するので、当然野郎のオイラに仕事が回ってくる。で、普段の政治に対する不満をぶちまけながら力業でドロドロにしてやった。ざまあみろ、自民党民主党、その他の烏合の衆ども!
で、皿に盛りつける。不思議と筑前煮という状態ではないが、違う食べ物とすれば彩りも綺麗だし、結構いけるかも知れない。
最後にミキサー食。最近はかなり減ってきたが、限られた時間で栄養をとってもらわなければならない摂食障害の方の口に流動食のごとく突っ込むために存在する形態である。ハンドミキサーでしつこくかき混ぜる。
……うむ、土から産まれた食物は例外なくすべてをかき混ぜるとアースカラーになるのだな…。解りやすくいうと、たまに終電の地下鉄に転がっている、酔っぱらいが嘔吐した物体の色と一緒だ。
で、手を洗って頂きますなのだ。
まず、刻み食。
うむ、まさに筑前煮である。ニンジンとゴボウと椎茸の嫌いなオイラは綺麗にそれらをよけて食べることが出来た。健常者の立場で考えると、口の中が寂しいが、それでもコイツは紛れもなく筑前煮である。
次に食品毎にすりつぶしたもの。
…。
コイツも綺麗にニンジンとゴボウ、椎茸を回避することが出来る。食感という観点では全く筑前煮ではないが、一応ご老人の好きな和風の食べ物であることには変わりない。拒否反応を示す人もいるだろうけど、大丈夫な人は食えるだろう。一度元の食材の形に整形するともっといいかも知れないな。
最後にオールミキサー食。
……。
うむ…。
ゴボウの匂いしかしないな…。しかもザラザラしているのは鶏肉の破片か? …この黒いブチブチは椎茸の破片だろうな。しかもニンジンがまんべんなく混ざっているんだよな…。
結論。こんなの食えたもんじゃねぇ。
これを食うくらいなら、胃瘻でも鼻からチューブでも、そっちの方がまだマシだな。けれども未だにこのドロドロの物体に、さらに粉薬まで混ぜて食わせる施設が存在しているというのが怖いな…。そんなの生きる喜びもなにも無いって…。
で、綺麗に片づけて終了。途中、オイラが皿を拭いているとおばちゃん達から、
「あらー、きちんとして上手だねー」
と声をかけられる。ふぅ、当たり前だ。こんなのやっていれば出来るし、家でやる時の3倍くらい丁寧にやっているからな。
で、口の中に残るミキサー食の風味を取るためにハイチュウを丸ごと1本食って口直しをした。…つかれる授業だ。
で、放課後に東急ハンズに立ち寄って2万円もする吉田カバンのショルダーバッグをしげしげと眺めて、ため息をついて帰る。…欲しいな、こんな丈夫なカバン。しかし、5年前に仕事用で買ったビジネスタイプのカバンも、実はACEという日本製のものであり、金具などは劣化があるが、縫製の部分は全くほつれていないし、今なお丈夫に活躍している。…やっぱり高くても職人気質のメイドインジャパンだな。
家に帰り、スーパーで買い物をして飯を食う。しばらく思い出したようにあだち充の「H2」を読み返していたが眠くなったので、「吉田カバン完全読本」を布団にころがりながら読みふけっているうちに寝てしまった。…金曜日は疲れてハナ金どころの騒ぎじゃねぇ。