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介護疲れ無理心中?80代の姉妹死亡、長女は首つる

 19日午後5時ごろ、山形県東根市東根、無職本郷政子さん(89)方居間で、長女の無職律子さん(60)がひものようなもので首をつって死んでいるのを、近所の親類の男性が見つけた。
 村山署員が駆け付けたところ、寝室のベッドの上で、本郷さんと、妹の色摩(しかま)千鶴さん(88)が死亡しており、1人は首に絞められた跡があった。自宅から、律子さんが書いたとみられるメモのような文書が見つかり、同署は、律子さんが無理心中を図った可能性があるとみて、3人の死因などを調べている。調べによると、3人は一戸建て住宅に一緒に暮らし、本郷さんと色摩さんは介護が必要な状態で、律子さんが普段の面倒をみていた。介護に疲れたとみられている。市によると、ホームヘルパーが週に1回、ケアマネジャーが月に1回訪問していた。(読売新聞) - 9月19日23時7分更新



朝一番にネットを立ち上げてニュースチェックをしていると、こういう記事にぶち当たる。介護保険制度が始まって5年以上になるけれど、お家の介護問題というものの根本は何も変わっちゃいないと言うことを再認識させられる記事である。
オイラはグループホームで仕事をしていたが、オムツをする程の人(=ほぼ人の助けがなければ寝たきり)は、基本的に一人に出来ない。オムツの性能がよくなったとはいえ、排便があればすぐに取り替えないといけない。尿であっても吸収ポリマーを過信すると、蒸れや不衛生により褥瘡が発生する。褥瘡と言うのは最初皮膚のただれがあり、表皮部分が摩擦などでこすり取れて肉の部分が露見する。一度肉が表面に出てしまうと、本当に皮膚が再生するのが大変で、2時間ごとくらいに寝返りの介助をして、患部の保護と新しい褥瘡の発生を予防しなければならない。これを放置すると、段々と肉が掘れていき、最終的に本来空気に触れてはいけない組織まで患部が進行してしまうと敗血症などの深刻な事態になる。
そう言う中での自宅介護は、家族の精神をボロボロにしていくものだ。親孝行とかまっとうな人間間の交流というものが成立しなくなるのである。
特別養護老人施設(略称:特養)や老人保健施設(略称:老健)は、いつも死ぬまでに回ってくるかわからない程、待機者があり、比較的軽めの人には順番は回ってこない。だから最近のグループホーム認知症が対象の「在宅施設」でありながら、軽度の認知症を偽り、待機施設として使われているような気がする。グループホーム認知症に効果的である、と言われたのは、入居者がホームの中で過去に経験してきた得意な事や好きな事を中心とする役割を持ち、自分がこの場所において必要である、と言う認識からその病状の進行を予防できる、というお偉いさんの実験データを元にしてである。ところが、入居してくる人が身体的にあまりに不自由で役割を履行することが不可能であり、スタッフは話しかけややりたいことの援助をするより、掃除、炊事、洗濯など、本来入居者と共同でやっていくはずの家事をすべて援助し、その上におむつ交換、入浴介助、食事介助…、など諸々の施設でやる様な身体介助をすると、スタッフは一杯一杯である。そこには介護で疲れる家族が抱えるような同じ問題点、温かい精神的な交流が蔑ろにされてしまう。
まー、金持ち家族ならいいさ。豪華な有料老人ホームもあるし、そもそもグループホームの利用料だって安くないから、入居していた人は比較的裕福だったんだろうな。生活保護を受けている人なんて、受け入れ拒否されることは日常茶飯事だしな。それでも元働いていたところは、割と生保の人が多かった。…ま、経営者が変わってこの前事務所で、経営責任者が「生保の人」からの入居問い合わせがあったとき、
「あっあぁ…、生保ですかぁ、(鼻でちょっと笑う)」
という対応を見た時に、この経営者じゃ駄目だな、と思ったものだけれど。ま、話しが横道にそれた。
で、格差社会というのは介護の世界でもあるのである。
すっかり疲れた家族により心中があるというのは、実に悲しいものである。
想像できる?
楽しい思い出もたくさんあったろうに、我が親を自分で殺す場面を。
子供への愛情から殺されることを受け入れる、親の心を。
そして、犯した罪の責任から自ら死ぬことを受け入れる最後の自分の心を。


オイラ、自殺というのは否定しないです。今の状況をダラダラと苦渋に満ちて生活することを終わらせる弱い立場の人の唯一の手段だから。
それを放置する人間社会に問題があるのだと思う。そして、そう言う社会を自分の忙しさにかまけて放置している自分にもまた責任があるのだから。
お役人の皆さん、介護保険は歳入を搾取するための手段になっていませんかね?手段と目的は時々冷静に見つめないと、逆転してしまいますよ。
丁度、オイラが目的達成のための手段に振り回されて、何も成すことが出来なかったようにね…。