ぱけちゃん、おしゃまなの。

ふざけながらも世間を切るんだ、はてなブロブ版

you、新卒採用ヤメちゃいナよ


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当人たちは大変なんだろうけれど、こんなさなかに「就活生はどうしたらよいのか?」という記事が目についた。
どうしたらよいかというか、仕事をしたいならこんな時だろうがどうだろうが仕事を探すに決まってんじゃん。
仕事をしないとお金がなくて、まともに生活できない。こういうすごくアタリマエのことなんだけれど、それが麻痺するようなことが戦前戦後からずぅーと続いてきているからたちが悪い。


オイラはまさに前回の就職氷河期と呼ばれ始めた頃の大学卒業生なのだけれど、実はそれよりもっと前に
「大学に行ったから大きい企業に入社できる」
という風潮ではなくなっていた。そうなのだけれど、当人は感覚麻痺しているから贅沢ばかり言い始めてなかなか就職が決まらないという状態でもあった。
ま、当時も今もドロップアウトしたらそれよりランクの下の企業に溢れるだけなのは変わらないから、スタート地点は上の企業であったようが良い思うのはとても賢明な判断でもある。


そんでもって、現代においては高卒が就職に苦労する時代で、特定の目的もなく、意味もなく大学に行って、その割に「(基準はよくわからないが)良い企業に入社できる」と頭が沸騰しているのは昔の感覚の呪縛から逃げ切れてないからこうなる。
じゃ、誰が悪いかというと「新卒神話」を守りつつける大手企業の問題である。


かつて、大学は人員を絞り込む上でとても有効に作用していた。かつての中国の高官採用制度のように。
で、みんな大卒状況になって、もっと絞り込むために「大学のブランド信仰」が起き始めて、過激な受験戦争が起きる。
さらに、かろうじて人口がたくさんいるときは、こんな制度でも有効に作用していたのだけれど、人口も減ってくる世の中。
なんで、有名大学卒業だけでとりえもない学生をチヤホヤする必要があるのか。おかげで、この先学習できるだけの「研究者向き」で「企業人」向きではない人で現在の企業規模が維持できるかは甚だ疑わしい。
しかも、中小企業には人が集まらなくて大企業が儲けて、諸外国に資本を持ち出すという日本空洞化もしっかり起きているし。


てなわけで、こぼれにこぼれまくった派遣社員のオイラから言わせてもらうと、新卒採用ヤメちゃいなよということである。厳密にはしても良いのだけれど、募集条件を解放するわけだ。
これで、年令に関係なく「経験に基づいた」優秀な人材を企業は手に入れることができる。楽だね。必要なときに、必要な経験を持った優秀な人材をとれば良いのだから。
アメリカとおんなじ制度だね。


若い連中は「経験を積んで優秀になるために」とりあえずでも良い、中小企業に勤めて一生懸命技術と経験を身につけることになる。労働環境は辛いかもしれないけれど、優秀であれば優良な企業に「転社」できる可能性というエスカレーションパスが出来るため、こぼれ落ちた感はない。
中小企業の経営者も、自分の企業から優秀な人材が全日本レベル、あるいは世界レベルの人材を輩出したとなると鼻も高いだろう。あるいは、そこで「規模が大きいだけの企業に務める意義」が何たるかに気がついて、ずっと中小企業に残り、その企業の成長に寄与するかもしれない。
実はここが重要で、現在ブラック企業とか十把ひとからげで中小企業がくくられているけれど、人材を大事に育てる企業と、消耗品として扱う企業とがはっきりと浮き彫りにされることになる。
そんなブラック企業は潰れてもらうためにも、始まりが中小に集まってくることが重要であり、中小がその懐の深さを用意することになる。もっとも、大企業もこのことによって人を消耗品として扱うだけの品格のない場所と分かればもっと良い。


なので、今の企業風土にある減点法でふるい落とす方式より、下に企業から上に向かうという風土が出来れば、中小企業の慢性的な人材不足が解決されたり、明らかに大企業に勤めただけで目標を完了させてしまう人間を誤って採用してしまったり、だらだらと社内失業してしまったりすることは「今よりは」なくなるような気がするのだけれど、
多分、今の大企業は面倒臭がりなので絶対にこんなことはしないだろう。


ま、頑張れ就活生。
若い頃はいつも苦労するものだ。